ロレックスは「3大発明」でその地位を確立したと言われています。そのことは以前のブログ(なぜロレックスが時計業界のTOPにいるのか?)で書いた通りです。その3大発明のひとつである「パーペチュアル」は1931年に発表されました。それは、世界初の360度回転ローターをもつ自動巻機構です。その「パーペチュアル」の成功もあり、ロレックスは「自動巻式時計のトップメーカー」としての地位を確固たるものとしました。今では、「ロレックス=自動巻き」というイメージが定着しています。
時は流れ、自動巻式時計が全盛だった時代が急に終わります。そのきっかけは、1969年にセイコーが世界初のクォーツ腕時計を発表したことでした。登場したクォーツ腕時計は「最新のテクロノジーが搭載された次世代の腕時計」という立場であり、次第に人々に受け入れられていきます。もちろんロレックスも手をこまねいていたわけではありません。セイコーが発表した僅か1年後※1、ロレックスもムーブメント「ベータ21」を搭載した、クォーツ腕時計「ベータクォーツ(型式5100)」を発表したのです。まさに時代の流れに乗って誕生しました。しかし、ベータクォーツは量産モデルとして生産をしませんでした。おそらくベータクォーツはロレックスのクォーツ腕時計史の第一歩を踏み出すための試験的なモデルであったのでしょう。ベータクォーツは寡少な生産で打ち止め、すぐにその主役を「オイスタークォーツ」に譲ります。その後、「チェリーニ」ラインでもクォーツ時計を生産し、ロレックスは消費者に対して幅広い選択肢を提供すべく尽力します。下でロレックスのクォーツ時計ラインをまとめておきます。