何と言っても強烈だったのは、「ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン」である。元々「ダトグラフ」自体が精緻極まるコラムホイール式のクロノグラフであり、計測中にクロノグラフ針をゼロ位置に戻せるフライバック機能、精確な積算計表示を可能とするプレシジョン・ジャンピングミニッツ・カウンターといった付加機能まで有している。
そこへ2100年3月1日までのカレンダー調整を無用とするパーペチュアルカレンダー、重力の影響を排除するトゥールビヨンを並行して搭載するのだから、その開発努力たるや並大抵のものではない。しかも、トゥールビヨンには時刻調整時にキャリッジを停止させ、秒単位の調整も可能な独自のキャリッジ停止機構を備え、2枚のディスクで日付を表示するアウトサイズデイトは、深夜0時付近で、瞬時にディスクが送られ、これと連動し、すべてのカレンダー表示も瞬転式となる。既存のムーブメントの改良ではなく、完全な新開発となったムーブメントに要するパーツ数は729にも及ぶ。