ファッション化した腕時計
虹色の「カラー・ザ・スカイ」(6825円)は2004年から続くロングセラー。白と黒は「カラーコード」なるモデルで、2010年に発表。全26色(各5775円)。問スウォッチコール tel.0570-004007
最初のスウォッチが市場に出たのは1983年だから、ちょうど30年になる。クオーツの腕時計は、セイコーがすでに69年に商品化していた。しかし、プラスティック(厳密にはABS樹脂)製で、その素材の特性を十分に生かし、多様な色彩を使ったスウォッチのデザインは、時計史に残るといえる。
それまで時計は、生涯にそう多くの数を購入するというものではなかった。しかし、ファッションのコレクションに合わせて年2回も新作を発表するうえ、廉価でポップなデザインで、スウォッチは腕時計の概念をまったく変えてしまった。複数の腕時計を衣服のようにつけ替える習慣もここから一般に定着した。
スウォッチ人気と歩を合わせて、カシオがGショックを出すなど、従来の概念にとらわれない腕時計が現れるようになる。また、80年代後半には、多くの企業が合成樹脂製の腕時計を記念ギフトなどで配ったのも、スウォッチの軽妙なファッション性に影響を受けてのことだった。日本のデザイナーたちがきそうように、いわゆるプラスティック時計をデザインしたのも、同じ頃だ。