約1年前の2013年7月。
スイス時計業界切っての技術力と多様性を誇るウォッチメゾン、ジャガー・ルクルトを12年以上に渡って牽引して来たジェローム・ランベール氏が、モンブランのCEOに就任、センセーショナルな話題として各メディアに取り上げられていたのも記憶に新しいところ。
そのジェローム・ランベール氏は、就任早々にしてその敏腕ぶりを発揮、モンブランの代表作のひとつであるニコラ・リューセックを刷新、更にはわずか半年でニューコレクションまでもを構築してしまったのです。
モンブラン マイスターシュテュック ヘリテイジムーンフェイズ Ref.111185
そのニューコレクションこそが、マイスターシュテュック ヘリテイジ コレクションであり、ランベール氏はこれを、エントリーラインのスターコレクションから、ハイエンドのヴィルレ コレクションの間を繋ぐコレクションとして位置付けました。
ラウンドケースに細いベゼル、短めのラグ。細身の楔形インデックスにドルフィン型長短針、そして12時位置にのみローマ数字のインデックス。
そんなシンプルでクラシック、個性的なバランスを持ちながらも普遍的、そして控え目でありながらも力強ささえ感じさせる意匠を共通項としたこのコレクションに、どことなくランベール氏が育んで来たジャガー・ルクルトのマスター コレクションの面影が重なって見えるのは、筆者の思い込みによるものでしょうか。
モンブラン マイスターシュテュック ヘリテイジムーンフェイズ Ref.111185
ここに紹介するマイスターシュテュック ヘリテイジ ムーンフェイズは、秒針を持たない中二針で、6時位置のサブダイヤルにポインターデイトとムーンフェイズを同軸配置したもの。
直径39ミリ、厚さ10.24ミリと言う使い勝手の良いサイズ感、そしてこの簡潔なシンメトリーデザインは、ただそれだけで気品が感じられるもので、パーペチュアルカレンダーやワンプッシュクロノといったハイエンドラインをも有するこのコレクションの中でも、最も魅力的と思えます。