21世紀の現代、リシャール・ミルやウブロを中心として繰り返される素材革新によって、より軽量でより強靭な新素材に注目が集まっていますが、その革新の成果であるスポーツウォッチの目覚ましい軽量化は、その実用性向上の為にもウォッチメゾン達が挑んで行かなくてはならない、新しいテーマとして認知されつつあります。
2013年ゼニスは、カーボンケースに高速フドロワイヤント機構、ストライキング10thを備えるチタン製エル・プリメロ、Cal.4052Wを搭載した「エル・プリメロ ライトウェイト」を100本という少数限定でリリース、話題を振り撒いたのも記憶に新しいところでしょう。
ゼニス:エル・プリメロ ライトウェイト
クロノマスターというクラシックなテイストの強いモデルをベースとしていますが、カーボン・パターンを浮かべたケース、モノトーンを基調に、控え目ながら効果的なレッドの挿し色、3時位置のインダイヤルにシックなブルー。
そして文字盤と裏蓋を共にトランスパレントとして、古典的で美しい意匠を特徴とするエル・プリメロを両面から見せたその意匠は、非常にスポーティーでメカニカル感に溢れ、過去のどのエル・プリメロ搭載機とも異なる現代的な雰囲気を持つものでした。
そして今年ゼニスは、現行のクロノグラフムーブメント中、最軽量を誇るというチタンで作ったエル・プリメロのスタンダード機、Cal. 400Bをカーボンケースに収め、第二のライトウェイトをリリースしました。
ゼニス:エル・プリメロ ライトウェイト
クロノマスターのデザインを元に、特徴的な中空のラグやトランスパレントの文字盤等、基本的な意匠は去年のモデルに同じですが、センタークロノグラフ針と文字盤の外周に挿されていた赤が、3時位置のインダイヤルに使用されているのと同じ青系の色に差し替えられ、よりシックな印象となりました。
ゼニスはこれまでにもセラミナイズド・アルミニウムやアルクロン等、軽量かつ強靭な新素材をリリースして来ていますが、ヒートアップを続ける新素材の開発競争は未だ留まる事を知らず、今後のゼニスの動向にも目が離せません。