「3年前の2012年、私たちは大きな岐路に差しかかっていました。小さな工房のままで仕事を続けるのか。それとも、復活以来、最大級の設備投資を行って、スペースに余裕のある新工房を建設するのか。最終的に私たちは新工房の建設を選択しました。それはとても重大な決断でした」
A.ランゲ&ゾーネのCEO、ヴィルヘルム・シュミット氏は、完成・稼働を開始した新工房を建設するに至った理由を語り始めた。
A.LANGE & SÖHNE|A.ランゲ&ゾーネCEO ヴィルヘルム・シュミット氏インタビュー01
「当時、私たちが抱えていたいちばんの問題。それは、納得できる時計作りのための充分なスペースがないことでした。ひとつの工程を終えた部品を、次の工程に移動させる。そのために部品を一度、屋外に出さなければならないという状況でした。そのため、時計師をはじめ工房のクラフツマンたちには、大きなストレスがかかっていました。この状況を変えるためには、新工房を建設するしかありませんでした」